鍼灸で頭痛を治す

鍼灸(しんきゅう)とは、中国の東洋医学の理論に基づいた治療法です。
世界保健機関(WHO)は、鍼灸治療の適応症として頭痛を認定しているほど、期待ができる治療法です。
副作用もほとんどないことから、薬にかわる代替医療として注目を集めています。
なお、鍼灸治療は、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛といった、器質的な異常がみられない頭痛に対して効果的です。

鍼灸を扱う東洋医学では、全身の血液の流れのバランスに注目します。
簡単にいうと、頭に上りすぎた血液を、手足におろしていくイメージです。
治療治療では、鍼(はり)とお灸を使って頭痛にアプローチします。
細い鍼を首の後ろや横などのツボにさしていきます。
お灸は温熱刺激を加えます。
そうした刺激を与えることで、崩れてしまったバランスを整えて自然治癒力を高めるのです。

鍼やお灸と聞くと、「痛い」「熱い」「怖い」というイメージを抱く方も多いかもしれません。
しかし、鍼はほとんど痛みを感じません。
お灸も、一瞬熱いと感じる程度。
跡はほとんど残りません。
使い捨ての鍼を用いるので、細菌やウイルス感染の心配もありません。

東洋医学における鍼灸は、「治未病」という考え方に基づいています。
病を発症する前に治そうとアプローチするのです。
鍼灸治療は頭痛の予防にも役立ちます。
頭痛歴が短いほど、治療回数も短く治りやすいと言われます。
鍼灸治療は、頭痛以外にも眼精疲労、疲労回復、免疫力の向上など、さまざまな効果が期待されています。