カテゴリー別アーカイブ: 治療について

アロマで治す

心身のリラックスを目的とした民間療法の中に、アロマテラピーがあります。
植物の香りを利用して、身体と心のバランスを整える健康法の1つです。
アロマテラピーは、花や果物の皮から精油を抽出して行われます。
精油は、別名エッセンシャルオイルとも呼ばれます。

精油の香りがもたらす安心感や緊張感が、心身のバランスを整えると言われています。
精油に含まれる成分には、頭痛の改善を期待されているものもあるようです。
頭痛の時に試してみたいのが、カモミール、ラベンダー、ベルガモット、ペパーミント。
「万能精油」と呼ばれるラベンダーは、フローラル系の香りが特徴。
あらゆる痛みに利用できます。
ペパーミントは、頭をすっきりさせたい時に良いそうです。

アロマテラピーは、いろいろな利用方法があります。
精油を1~2滴、ハンカチにふくませて香りを嗅ぐと、手軽に香りを楽しめます。。
アロマポットを使えば、部屋全体に香りが広がります。
アロマバスは、精油を湯船に3~5滴落として入浴します。
湿布は、冷水もしくは熱湯を洗面器に入れて、精油を3滴まで落とします。
そこにタオルを入れて絞ったら、気になるところにあてます。
緊張性頭痛は、ラベンダーを利用したアロマバス、偏頭痛はローズマリーの冷湿布がおすすめ。

精油を使う際には、刺激が強いので、皮膚に直接つけないでください。
また、危険なので、絶対に精油を飲まないでください。

鍼灸で頭痛を治す

鍼灸(しんきゅう)とは、中国の東洋医学の理論に基づいた治療法です。
世界保健機関(WHO)は、鍼灸治療の適応症として頭痛を認定しているほど、期待ができる治療法です。
副作用もほとんどないことから、薬にかわる代替医療として注目を集めています。
なお、鍼灸治療は、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛といった、器質的な異常がみられない頭痛に対して効果的です。

鍼灸を扱う東洋医学では、全身の血液の流れのバランスに注目します。
簡単にいうと、頭に上りすぎた血液を、手足におろしていくイメージです。
治療治療では、鍼(はり)とお灸を使って頭痛にアプローチします。
細い鍼を首の後ろや横などのツボにさしていきます。
お灸は温熱刺激を加えます。
そうした刺激を与えることで、崩れてしまったバランスを整えて自然治癒力を高めるのです。

鍼やお灸と聞くと、「痛い」「熱い」「怖い」というイメージを抱く方も多いかもしれません。
しかし、鍼はほとんど痛みを感じません。
お灸も、一瞬熱いと感じる程度。
跡はほとんど残りません。
使い捨ての鍼を用いるので、細菌やウイルス感染の心配もありません。

東洋医学における鍼灸は、「治未病」という考え方に基づいています。
病を発症する前に治そうとアプローチするのです。
鍼灸治療は頭痛の予防にも役立ちます。
頭痛歴が短いほど、治療回数も短く治りやすいと言われます。
鍼灸治療は、頭痛以外にも眼精疲労、疲労回復、免疫力の向上など、さまざまな効果が期待されています。

整体で頭痛を治す

整体というと、「ボキボキ」と骨の音を鳴らす施術をイメージされる方も多いかと思います。
しかし、現在の整体院は、音を鳴らさず痛みのない施術をするところが増えています。
「頭痛専門整体」をうたっている整体院もたくさんあります。

偏頭痛は血管性のものといわれます。
脳内のいろいろな血管が収縮、拡張を繰り返すときに起こる頭痛です。
血液中の脳脊髄液がスムーズに流れなくなることも、頭痛の要因です。
脳脊髄液は脳硬膜の中を流れます。
背中からお尻部分にかけて、脳硬膜があります。
もし、背骨や骨盤が歪んでいたら、脳硬膜も同時に歪んだりねじれてしまいます。
背骨や骨盤のゆがみやねじれを整体で治すことにより脳硬膜もまっすぐになります。
そうすることで、脳脊髄液もスムーズに流れだせば、頭痛も起きにくくなるでしょう。

整体は、頭痛の原因となる身体の構造に直接働きかけて施術を行います。
長年、頭痛に悩まされているうちに、痛みをこらえる時の反応やストレスで、身体が固くなってしまうことも。
長時間、デスクワークをする方や、パソコンでゲームをする方は、自分でも気づかないうちに、筋肉が緊張したり、骨が歪んだりすることがあります。
筋肉をほぐし、骨格を矯正することで、固くなった身体がほぐれ、頭痛が改善されていく可能性があります。
ただし、偏頭痛の場合は痛みのある日に施術を受けると、痛みが悪化する恐れがあります。
痛みのない日に施術を受けましょう。

ストレッチで頭痛解消

首の筋肉の「こり」が、頭痛の原因だというケースは多いものです。
同じ姿勢で一点を見つめるパソコン操作、猫背などは、血流を悪くしてしまうからです。
ストレッチを行い、筋肉をほぐすことで、頭痛をやわらげたり、予防につながることも。

ストレッチを行う際には、注意点がいくつかあります。
必ず自己責任のもとで行ってください。

まず、猫背にならないように意識して背を伸ばします。
息を止めないように気を付けましょう。
首をゆっくりと円を描くように大きく回す、何度か首を上下に曲げる、左右に曲げるといった動作なら、いつでも手軽に行えます。
気持ちが良いと感じるところでやめるのもポイントです。
決して無理をしないでください。

ストレッチを行うことで、血行が良くなります。
いろいろな動きを取り入れることで、気分転換にもなります。
オフィスや外出先では難しいですが、楽な服装で、靴下を脱いで行うとより効果的です。
ただし、ストレッチを行っている間、あるいはそのあとに、頭痛が悪化するなどの異常を感じたら、すぐに中止し、病院を受診するべきです。

ストレッチは緊張型頭痛に効果的だと言われますが、偏頭痛には逆効果なので注意が必要です。
また、過去に交通事故でむち打ち症になられた方も、行わないでください。
偏頭痛の場合、ストレッチは頭痛が起きていない時に限ります。
デスクワークの合間に、ちょっとした空き時間に、こまめなストレッチを意識して心がけてみてはいかがでしょう。

頭痛を治療するには

もっともポピュラーで身近な頭痛。
それだけに、頭痛は市販の解熱鎮痛剤でやり過ごす人がとても多いです。
病院で診察を受けるほどではないと、安易に考えているうちに、薬剤耐性頭痛を引き起こしてしまう可能性もあります。
慢性的に頭痛を抱えている方は、ぜひ一度、病院で検査を受けることをおすすめします。

現在は予防薬の研究も進み、薬によって頭痛をある程度コントロールすることが可能です。
トリプタン注射剤やインドメタシン、純酸素吸入法など、様々な治療薬が開発されています。
市販の解熱鎮痛剤を多用するリスクをよく知り、医師のアドバイスに沿って適切な治療をすることが大切です。

検査を受けて、特に異常が見られないようでしたら、頭痛の予防や軽減を兼ねた自分なりの治療法を知っておくことも必要です。
薬だけが治療のすべてではありません。
さらに、頭痛のタイプに合った適切な対処をしないと、効果が期待できないどころか、頭痛をより悪化させてしまうことも。
特に偏頭痛では、予兆と分かる症状が現れることがあります。
予兆が現れたら、激し痛みが来る前に、暗い部屋に移動する、目を閉じて横になるなど、自分でできることがいくつかあります。
整体院に行く、ストレッチ、カイロプラクティック、湯船につかって身体を温める、鍼灸院に行くといった方法もあります。
日ごろから、自分に合いそうな方法を試してみるのも、頭痛と上手に付き合う治療の1つと言えます。

頭痛の治療家たち

頭痛の治療家と一言で言っても、「頭痛のエキスパート」は各分野に存在します。
日常生活に支障をきたすほどの頭痛が頻回に起こるときには、医師の診察を受けることが望ましいです。
その場合、もっともなじみのある診療科は内科でしょう。
ほかに頭痛を扱う診療科は、「頭痛外来」、脳神経外科や神経内科、ペインクリニック、精神科や心療内科など、多岐にわたります。

また、鍼(はり)治療やお灸をおこなう鍼灸院、整体院での整体師による施術、カイロプラクティック、あん摩、マッサージ、指圧なども挙げられます。
心身のリフレッシュを目的にしたところでは、リフレクソロジー、アーユルヴェ-ダ、アロママッサージなどを扱うセラピストも、頭痛の治療家の一員と捉えることもできます。

頭痛が起きやすい体質を、ただちに改善することは難しいかもしれません。
しかし、特に緊張型頭痛の場合は肩こりを伴うことが多く、「肩こり頭痛」と呼ばれるほどです。
肩こりは、首や肩の筋肉が緊張し、血流が悪くなることで生じます。
マッサージや指圧を行うことで、筋肉の緊張をゆるませ、血流を良くすれば、頭痛を起こしにくくなると考えられます。

自分はいつ、どんな時に頭痛が起きやすいのか。
痛んだとき、どんなことをすれば頭痛がやわらぐ、改善されるか。
頭痛のタイプは、一人一人異なります。
自分に合う対処法と、それを後押ししてくれる「治療家」を見つけることが、頭痛と上手に付き合っていくコツです。